UglySmile

人生には物語とROCKが必要だ。

『天狼 Sirius the Jaeger』第8話の感想と演出について

物語の舞台を帝都東京から樺太に移し、シリウスの匣を巡ってそれぞれの思惑が交錯する「第2部」の幕開け。 第二の家族とも言える仲間たちと別れ、シリウスの末裔として自らが果たすべき役目を自分自身の意思で模索するユーリィと、匣を封印した父親の意思に体を拒絶されながらも、一族の無念を晴らしたい一心でエフグラフの盟約に抗うミハイル。青と赤の運命に引き裂かれた兄弟の孤独な闘いが、歴史に翻弄され、のちに地図上で色を失うことになる北の大地で繰り広げられます。

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『天狼 Sirius the Jaeger』第7話の感想と演出について

2クールでやれ。

いやもう、このひと言に尽きる展開でした。なんか完全に「第1部・完」みたいな空気になってるんですけど、ひょっとしてこのアニメ、本来は2クール作品として企画していたんでしょうか。個人的には是非ともそのくらいのスケールで楽しみたい作品です。とはいえ、大仰なエフェクトやCGに頼ることもなく、愚直なまでに手書きの人体アクションで魅せていくスタイルをこれだけの密度で貫くのは、やっぱり今の時代では1クールが精一杯なのかもしれませんね。十年くらい前ならまだ可能だったのかな。

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『天狼 Sirius the Jaeger』第6話の感想と演出について

前回があの派手な展開だっただけに、今のアクションアニメの平均的な傾向を考えると、今回はてっきり省エネ作画で茶を濁してくるかと思ったんですけどね。まさか中盤山場の本命、対カーシュナー戦の導入だけでなく、これまで戦闘面では見せ場のなかったウィラードの立ち回りまで盛り込んでくるとは。正直ナメてました。大きく動いた物語の勢いを殺すことなく突っ切る姿勢。安定したクオリティの上で胡座をかくことのないその実直さに、作品への信頼感も一層高まります。

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『天狼 Sirius the Jaeger』第5話の感想と演出について

理性で統制されているからこそ安全性が保たれる空間に、野放図なテロ集団や制御不能な人造人間という波乱要素が放り込まれる恐怖。潜在的不安を煽る効果的な状況作りによって、特急列車という閉鎖空間での緊張感は最後まで途切れることがありません。さらに、列車アクション物にお約束なシーンも豊富で、中盤の山場に相応しい見応えのあるエピソードだったと思います。涼子と伊庭少佐も本筋へと本格的に絡むことになり、ヴァンパイア対策における関係性が大きく変化しそうな予感を抱かせる回でもありました。しかし最近のアニメ界の列車アクションブームは一体なんなんだ。

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『天狼 Sirius the Jaeger』第4話の感想と演出について

虎党と結託していたカーシュナーたちの「部品」集めはひと段落して、吸血鬼の企みとそれを追う者たちの物語は第二局面へ。アルマ商会と陸軍の繋がりにキナ臭さを嗅ぎ取った狩人たちと伊庭少佐は極秘演習が行われる御殿場へと向かい、カーシュナーに使い捨てられた百虎党もそこで使用される新兵器を狙って後を追います。おまけに兄貴まで現れてこの先タダで済むワケない不穏な引きに、鉄道ファンもザワつく第4話。

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『天狼 Sirius the Jaeger』第3話の感想と演出について

狼男と吸血鬼に加えてフランケンシュタインの怪物も登場し、ついに怪物三人組が揃い踏み。むむむ。まさかこのアニメ、怪物くんリスペクトと見せかけてその実態は、往年のモンスター映画のリブート『ダーク・ユニバース』プロジェクトが瀕死の状態にあるユニバーサル・ピクチャーズと、本作に出資してるワーナー・ブラザースの戦略的提携によって生まれた作品で、今後さらにミイラや透明人間や半魚人が登場して『V海運シリーズ』として展開されていくビッグプロジェクトなのでは!?(半分本気)

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『天狼 Sirius the Jaeger』第2話の感想と演出について

ユーリィと咲のあいだに実りつつあった絆が無惨にも引き裂かれ、二人の心に深い傷を与えた今回のエピソード。観ているこちらのメンタルもゴッソリと削られてしまいそうなヘビーな展開でしたが、そのように感じるのも、二人の痛みにどっぷりと感情移入させるだけの丁寧な画面作りが、今回も意地悪なくらい徹底されていたからです。

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